昔の話しを思い出して

私が専門学生だった時の話しになります。

 

当時は専門学校の寮の2人部屋に住んでいました。

 

夜に近所で火事があり、一緒に住んでいた友達と野次馬に行き、大したことがなかったので、そのまま夜の公園を通り家路につこうとすると、公園からギターの音が。

 

興味本位で覗くと女性二人組みでギターを弾き、「ゆず」の歌を唄っていたのですが、観客はゼロ。

 

友達とそこで立ち止まり、お客は私達だけだったので色々聞かせて貰ったり、話しをしました。

 

私達よりも年齢は上で、保育士をしている事。

 

路上デビューが今日だった事。

 

毎週木曜日に公園でやる予定と言っていたので、近場でもあったから毎週友達と一緒に聴きに行くようにしていました。

 

そんな日が1年以上続き、彼女達も実力と度胸がついたのか、公園ではなく、人通りの多い所で演奏をするようになりました。

 

もちろん私達も時間が合えば聴きに行くように。

 

変な話し恋愛に発展させたいとか、そういう邪な気持ちはなく、ただ純粋に声と人柄に惹かれていたのだと思います。

 

そして専門学校の2年生の冬。

 

私達も卒業と同時に地元に帰り就職する事が決まっています。

 

それを思ってか、ライブハウスでライブをやるからぜひ来て欲しいと誘われました。

 

その頃には彼女達のファンも多くなっていたし、ライブハウスで活動するくらいまで人気になっていました。

 

私達2人はライブハウスの後ろの方で彼女らの音楽を聴いています。

 

ラスト一曲になった時、彼女達からあるメッセージが

 

「冬も終わり間もなく春になりますね。春は出会いの季節でもありますが、別れの季節でもあります。

私達が音楽をやるようになり、公園で歌っていた時にお客として2人の学生さんが来てくれました。

その人達も今年の春に学校を卒業して離れてしまいます。私達がここまで来れたのは彼等がいた影響が凄く大きいです。

そんな2人の為に曲を作ってきました。

それでは聴いて下さい・・・」

 

曲のタイトルは忘れましたが、号泣しながら聞いたのを覚えています。

 

私達がファンの第1号になり、路上から始めてライブハウスで唄うまで実力をつけ、最後に私達の為に唄ってくれたなんて、漫画のようでしたが、凄い素敵な思い出をもらいました。

 

今でも元気に歌を唄ってくれてたらいいなー。